国際ブランド別適用為替レート徹底調査その4

前回記事『国際ブランド別適用為替レート徹底調査』『国際ブランド別適用為替レート徹底調査その2』『国際ブランド別適用為替レート徹底調査その3』からの続きです。

前回記事で国際ブランド『JCB』と『ダイナース』の適用為替レートについて検証しました。今回は『アメリカン・エキスプレス』『VISA』『MasterCard』についての検証です。データがまだまだ少ないので、仮説を織り交ぜてではありますが・・・

まずはアメックスですが、検証するにはあまりにもデータが少ない・・・
今回検証できるクレジットカード利用日は、現地時間の12/13と12/14利用分だけです。しかも、アメックスの場合、クレジットカード利用明細に『換算レート』の記載はありますが、日本円への『換算日』の記載がありません・・・

そこで、アメックスの換算日と換算レートの算出方法を尋ねるため、アメックスのプラチナデスクに突撃しました。
デスクによると、換算日は『カード利用データがアメックス日本法人に届いた日』で、換算レートの算出方法は『換算日前日の三菱東京UFJ銀行でのTTMレートに事務手数料2.0%を上乗せしたレート』とのことでした。そして、今回利用した12/13と12/14利用分の換算日は全て12/16とのことでした。

利用日 換算日 換算レート 換算日前日(12/15)の
三菱東京UFJ銀行のTTMレート
×102%
12/13 12/16 85.358 83.85 85.527
12/14 12/16 85.354 83.85 85.527

実際の換算レートは、アメックスデスクの回答から算出したレートよりも低かったです(ユーザーにとってはお得なレート)。ただ、あまりにもデータが少ないので、なんともいえません・・・
確実なのは、事務手数料が基準レートの2.0%(TTMレートへの上乗せ手数料率2.0%)と公表しています。VISA、Master、JCBと比べると高率なので、換算レートから考えるとアメックスは不利になりやすいと考えざるを得ません。

続いてVISAです。今回の検証ではデータ数が最も多かったのがVISAでした(ハワイ滞在中は、ほぼ毎日利用)。
検証に利用したクレジットカードは、三菱UFJニコス(旧DC)のJALカード VISAです。困ったのは、三菱UFJニコスのクレジットカード利用明細にもアメックス同様、換算日の記載がありません・・・

それと、もう一つ不思議なことが!?
VISAでは、利用毎に換算レートが全て異なっているのです。利用日が同じでも換算日が同じでも関係ありません。利用毎に全て換算レートが異なっているのです・・・

どういうことなんだろ??
為替変動のないTTM(仲値)基準ではないってこと?う~ん、ってことでカードデスクに突撃です(笑)。
カードデスクによると、三菱UFJニコスはVISAが適用したレートに事務手数料1.63%を上乗せしたレートを機械的に算出して換算レートにしているってことでした。
また、換算レートが取引毎に異なるのは、VISA加盟店が売上処理を行うタイミングが異なるからってことでした。ってことは、売上処理するタイミングはVISA加盟店側に依存しており、加盟店が売上処理をした時点でVISA側では銀行間取引レート基準による即時決済(刻々とレートが変動します)でドルから円に換算されるってことなのでしょうか?それなら、利用毎に換算レートが異なるのも納得できます。

今回のVISA利用分の換算日は全て教えてくれたのですが、『JCB』『ダイナース』『アメックス』の換算日が日本時間が基準の換算日に対し、『VISA』の換算日はVISA決済センターがある米国時間が基準の換算日になるそうです。

利用日 換算日 目的 換算日のNY市場の終値 換算レート 総手数料 上乗せ手数料率
12/4 12/5 キャッシング 休日 82.63
(12/6の始値)
83.720 1.09 1.32%
12/4 12/5 キャッシング 休日 82.63
(12/6の始値)
83.725 1.095 1.33%
12/4 12/6 ショッピング 82.64 85.082 2.442 2.95%
12/5 12/6 キャッシング 82.64 83.724 1.184 1.43%
12/7 12/9 ショッピング 83.68 85.500 1.82 2.17%
12/7 12/9 ショッピング 83.68 85.552 1.872 2.24%
12/7 12/9 ショッピング 83.68 85.511 1.831 2.19%
12/8 12/9 ショッピング 83.68 85.499 1.819 2.17%
12/8 12/10 ショッピング 83.95 85.271 1.321 1.57%
12/8 12/10 ショッピング 83.95 85.304 1.354 1.61%
12/9 12/11 ショッピング 休日 83.96
(12/13の始値)
85.177 1.217 1.45%
12/9 12/11 ショッピング 休日 83.96
(12/13の始値)
85.230 1.27 1.51%
12/10 12/12 ショッピング 休日 83.96
(12/13の始値)
85.187 1.227 1.46%
12/11 12/12 ショッピング 休日 83.96
(12/13の始値)
85.224 1.264 1.51%
12/11 12/13 ショッピング 83.41 85.181 1.771 2.12%
12/11 12/13 ショッピング 83.41 85.175 1.765 2.12%
12/12 12/14 ショッピング 83.65 85.669 2.019 2.41%
12/12 12/14 ショッピング 83.65 85.520 1.87 2.24%
12/12 12/14 ショッピング 83.65 85.535 1.885 2.25%
12/13 12/15 ショッピング 84.23 84.932 0.702 0.83%
12/13 12/15 ショッピング 84.23 84.964 0.734 0.86%
12/13 12/15 ショッピング 84.23 84.964 0.734 0.87%
12/14 12/16 ショッピング 84.02 85.627 1.607 1.91%
12/14 12/16 ショッピング 84.02 85.715 1.695 2.02%
12/14 12/16 ショッピング 84.02 85.706 1.686 2.01%

加盟店側が換算日のどの時点で売上処理をしたのかはわかりません。1日の中でも為替変動は相当あるので、手数料率を換算する基準レートを決めることは不可能です・・・
でも、それだと比較ができませんので、為替レートのその日(換算日)の終値を基準値にしました(為替市場は24時間取引ですが、ニューヨーク為替市場の終値がその日の終値になります)。
ただし、換算日が為替市場の休日の場合、週明け為替市場の始値を基準値にしました。かなり、アバウトではありますが、これしか方法がないかと・・・

ただ、この換算日、、、VISA側から三菱UFJニコスに提供されているデータらしいけど、ホントに正しいのかな??
どうにも辻褄の合わないことがあるんだよね・・・

例えば、他の日と比べ妙に手数料率が低い12/13の利用分。換算日は12/15となっています。そして、換算レートは84.932~84.964です。12/15の為替レートは83.65円で始まり84.23円で終わっています。また、安値が83.59円、高値が84.50円です。最も安かった83.59円を基準にしても1.63%の手数料を上乗せると84.952円です。84.932円というのは、安過ぎてありえません・・・これが、12/14(安値82.84円)ならありえるのですが・・・

クレジットカード清算時の即時決済といわれたほうがスッキリします。というのは、12/13の利用はハワイで12時以降に利用しました(ホノルルマラソンの翌日なので、足が痛くて午前中はどこにもいってません)。ハワイ時間で13日の12時以降の利用だと13日の為替取引は終了(ニューヨーク市場で終了)して、12/14の為替取引が開始しています(ウェリントン、シドニー、東京市場と次々にオープン)。ハワイで12/13に清算した時点の為替レートが日付的には12/14で、安値に近いレートで決済されたと考えると辻褄が合います。
15日処理になると上記のように辻褄があいません!?
それに、加盟店が販売した翌日に売上処理なんかするのかな?販売時点で処理した方がよっぽど効率的だろうし!?他の日も即時換算と考えた方が辻褄があうんですよね・・・

次回の調査では、換算日の調査もやってみたいと思います。ニューヨーク時間の5時に毎日利用するようにすれば傾向が見えてくるような気がします(その日の終値なんで後から検証がしやすいので)!?

とはいっても、現在のところはクレジットカード発行会社から換算日をはっきりと提示されたので、提示換算日の終値を基準レートにします。
換算日の終値を基準レートにした場合、利用期間中の上乗せ手数料率の平均はショッピングで1.84%、キャッシングで1.36%です。
明らかに高いので、VISA側でも銀行間取引レートにスプレッド(手数料)を上乗せしていると思わざるをえないです。ちなみにショッピング1.63%、キャッシング0%になるのが理想です。基準レートがアバウトすぎるので、こうはならないでしょうが・・・

手数料率には日々ばらつきがあり規則性はありません。サンプルデータとしては、あまりに心もとないのですが、ハッキリしているのは、Masterと比べた時に、明らかに手数料率が高いです。

利用日 換算日 目的 換算日の始値 換算レート 総手数料 上乗せ手数料率
12/4 不明
(12/5)
キャッシング 休日 82.63
(12/6の始値)
82.57 0 0
12/9 不明
(12/10)
ショッピング 83.73(安値83.45) 84.83 1.1 1.31%
12/9 不明
(12/10)
ショッピング 83.73(安値83.45) 84.82 1.09 1.30%
12/9 不明
(12/10)
キャッシング 83.73(安値83.45) 83.49 0 0
12/13 不明
(12/14)
ショッピング 83.35(安値82.84) 84.23 0.88 1.05%
12/14 不明
(12/15)
ショッピング 83.65(安値83.45) 85.01 1.36 1.63%

Masterで検証に利用したクレジットカードはライフカードです。VISAと比べるとデータ量が圧倒的に少ないです・・・また、ライフカードのデスクに換算日の問合せをしたのですが、ライフカードでは教えてくれませんでした。秘密にするようなことでもないでしょうに!?

換算日をどうするか悩んだのですが、VISAにならうのではなく(利用日の翌々日を換算日にしているケースが多い)、清算時の即時決済と仮定して換算日を利用日の翌日とすることにしました(ハワイでの12:00以降の利用分は為替市場では翌日扱いになるので)。Masterでも、こうしたほうが辻褄が合います。VISAの換算日にならって、翌々日にすると辻褄の合わないことが発生してくるんですよね~!?

例えば、VISAの時にも例示した12/13利用分ですが、換算レートは84.23です。12/15の為替レートは83.65円で始まり84.23円で終わっています。また、安値が83.59円、高値が84.50円です。最も安かった83.59円を基準にしても1.63%の手数料を上乗せると84.952円です。84.23円というのは、12/15のレートを参照する限り安過ぎてありえません・・・これが、12/14(安値82.84円)のレートを参照するとありえます。

12/14利用分も同様です。クレジットカード利用明細による換算レートは85.01です。VISAでは12/14利用分の換算日は全て翌々日12/16となっています。12/16の為替レートは84.25円で始まり84.02円で終わっています。また、安値が83.96円、高値が84.44円です。最も安かった83.96円を基準にしても1.63%の手数料を上乗せると85.329円です。こちらも換算レートが85.01円というのは、12/16のレートを参照する限り安過ぎてありえません・・・これが、翌日12/15(安値83.59円)のレートを参照すると辻褄が合ってきます。

以上のことからMasterの換算日は利用日の翌日と仮定しました。ホントはVISAでもそうしたかった(笑)
換算日を即時決済と考えれば、全ての利用日で辻褄があいます。『VISA』でも『Master』でも、ほとんどの加盟店では清算時での即時換算で、それを国際ブランドである『VISA』や『Master』が認証しているのが、その翌日ってことじゃないのかな!?そして、その確認証日を換算日にしているとか・・・
もちろん、加盟店によって、またはクレジットカード端末機によっては売上処理が後日になるケースもあるのでしょうが・・・

MasterとVISAを比べると、同じ利用日においては全ての日でMasterのほうが換算レートが良いです!
換算日が異なるかもしれないということを考慮しても、VISAがMasterより有利なレートになるケースはありません。Masterは銀行間取引レートによる換算で手数料(スプレッド)はのせていないかと思えるくらいです!もちろん、為替差益のスプレッドをとってないというだけで、クレジットカード会社(ここでいうライフカード)の事務手数料は徴収されています。

何故そう思ったかと言うと、ハワイ到着日の12/4にライフカードでキャッシングしています。12/4はハワイ時間の土曜日なのでキャッシング時は全ての為替市場がクローズしています。この場合の換算日は、週が明けて再び為替市場がオープンする12/6になるはずです。12/6の為替レートは82.63円で始まり82.64円で終わっています。また、安値が82.57円、高値が82.99円です。そして、このキャッシング利用分の換算レートが82.57円だったのです!!

たまたまタイミング良く12/6の安値で換算できたわけですが、もしMasterがスプレッドを僅かでも上乗せしていたら、この82.57円という換算レートはありえません・・・
ちなみに、ハワイ到着時にはVISAでも同じ日のほぼ同じ時間に同じ端末(Triton)で同じ金額のキャッシングをしています。この時のVISAの換算レートは83.72円です。こちらの場合は、12/6の為替レートの推移から考えると、スプレッドを上乗せしているとしか考えられません。タイミング悪く12/6の高値(82.99円)で換算したとしても0.73円のスプレッドが上乗せされています。

以上のことから、換算レートから考えるとMasterは海外の利用で有利になりやすいといえます。JCBも有利になりやすいので、少しでも換算レートにこだわるのであれば、海外ではMasterかJCBを利用するのが有利です。
ただし、クレジットカード発行会社によっては海外利用の事務手数料が高いクレジットカードもあるので(SBIカードやシティカード等)、そういったクレジットカードの海外利用では同じMasterでも不利になります。実際に今回の検証でSBIカード(Master)も利用していますが、換算レートはダントツで悪かったです・・・

今回はかなりマニアックに比較してみましたが、よっぽど利用する方でなければ金額的には大きな差ではありません。また、どのクレジットカードを利用するにしても現金やトラベラーズチェックで支払うより有利な支払い方法です。
海外ではやはりクレジットカードの利用がお得で便利です。ポイントも貯まりますしね!!

2011年1月27日 | コメント/トラックバック(4) |

カテゴリー:カードスペック

コメント

  1. さかな より:

    クレジットカードをよく使うのでさるさんのお話とてもためになります^^

    海外旅行を頻繁にし(ほぼ毎休みごと)、9月からは1年間アメリカに留学します。(そして途中の翌年3月で学生カードは使えなくなってしまいます:’()

    今学生用ライフカードVISA(さるさんのサイトを拝見してライフカードにしたのですが、大満足です)を持っているのですが、MASTER にした方がいいのでしょうか?

    海外で生活しながら使うのに、おすすめのカードとかあれば教えて頂けませんでしょうか?
    ちなみに月10万円ほど使用しており、ライフカードなのでANAでマイレージを貯めようと考えています。

    • サル より:

      さかなさん、はじめまして!管理人のサルと申します。
      質問に関するサルのコメントは、さかなさんへのご回答ページで回答させていただきました。
      http://creditcard.e-ocean.biz/blog/answer/569/

      コメントに対するご意見/質問があれば、該当ページのコメント欄に残していただけると幸いです。第三者の方のコメント・意見・回答も大歓迎です!今後の質問に関しましては、質問掲示板でしていただけるとありがたいです。

  2. NORA より:

    詳しいお話ありがとうございました。MasterかJCBを使うのがいいと思いますが、
    手数料換算以外に、重要な点があるのをご存知ですか?

    1.ヨーロッパ(とくにフランス)では、JCBを取り扱っていないところも多い。日本人観光客相手の免税店等は別かもしれませんが。。。

    2.ヨーロッパ(とくにフランス)では、ICチップつきのカードでないと決裁できないことがある。
    例:ライフカードの無料版は磁気カードのため使えなかった。セゾンもしかり。日本の磁気カードの磁気が弱すぎて、海外で読み取れないこともこれまでに3回あり。

    つまり、手数料の僅差だけで決められない要素も、実際には重要ということです。
    決裁できないと、複数もっているカードを次々と差し出すことになり、何かと不安。

    結局、MasterとVISAのICチップつきを必ず持参することにしてます。

    • サル より:

      NORA様

      管理人のサルと申します。はじめまして!
      ご意見ありがとうございます。
      確かにJCBは日本人がよく行くところは以外は使いにくい面はありますね・・・

      ご意見、ありがとうございます!

      ちなみにNORAさんのご経験ではVISAとMasterの為替レートに差はありますでしょうか?


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